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生命保険の用語集:デリバティブ(でりばてぃぶ)

以前は、やたら耳にしたのに、最近あまり聞かなくなった言葉の一つに「デリバティブ」があります。


デリバティブとは、実際の金融(資産、利率)ではなく、そこから派生した商品のこと。


デリバティブは「派生」という意味です。


専門用語になるわけですが、


今回、これを「生命保険の用語」に含めなかったのは、


保険の用語ではなく、どちらかというと投資(投機)関連の用語だからです。


ちょっと話しがそれてしまいましたが、金融から派生した商品、、、では、何のことやら分かりませんよね。


少し例を挙げると、分かりやすいかもしれません。


たとえば為替について、


今は、$1 = 80円前後ですね。


なので、$1を、79円だとか、81円だとかで、買ったり、売ったりすることができます。


つまり、これが(直接の)金融商品になるわけです。


で、たとえば、あなたがアメリカに海外旅行に行くとしましょう。


為替でできるだけ損をしたくないので、旅行前で、


できるだけ円高の時を見計らって、ドルを買っておきます。


平均79円で買えたとします。


旅行から帰ってくるのは1か月後。


旅行中にドルを使い切らなかった場合、さらに円高が進んでいたりすると、損をしてしまいます。


なので、「1か月後に78円で$1を売る“権利”」を買っておきます。


この権利を適当な量だけ買っておけば、大幅に円安が進んで、


$1=70円なんてことになっていても、”権利”を行使すれば78円で売れるわけですから、


大損することはありません。


しかし、、、円が安くなっていて、$1 = 85円とかになっていたりすると、


78円で売る権利など使わなくても、85円で売れるわけなので、買っておいた”権利”は無駄になってしまいます。


しかし、79円で買った円が85円で売ることができるのですから、得できますよね。


つまり、、、ここまでを、まとめると、、、、


旅行前:

$1 = 79円で、ドルを購入。

$1 = 78円で売る権利を購入。


旅行後:

$1 < 78円 ならば、購入しておいた”権利”を使って、ドルを売れば、大損しない。

$1 > 79円ならば、もともと購入した価格より高くドルが売れるので、損はしない。


つまり、円高になっても、円安になっても、損をしない、、、ということができるわけです。


損になるのは、$1 = 78円で売る権利を買うのに使ったお金だけに限定されるのです。


いわゆる、「リスクヘッジ」です。


で、、、デリバティブ、という言葉がはやった時代は、、、

金融だけでなく、天候だとか、食料品とかにも、こうした「権利」を売買する市場ができていて、

損害保険会社が、”保険”という名前を付けて売り出していたのです。


たとえば、

天候について、

「気温がXX度以上の日がXX日以上あった場合は、XX万円を受け取れる」

とか、

「雨の日がXXX日以上あった場合は、XX円を受け取れる」

とか、


天候に商売が左右される事業者、

たとえば、ゴルフ場だとか、屋外コンサート会場とかに、販売していたわけです。


また、気温デリバティブは、たとえば、冷暖房機や、アイス、ビールなど、

さまざまな商品の売り上げを左右するため、

これらで商売している事業者に販売されています。


当時なるほど、と思ったのは、

ハンバーガーショップ


牛肉の市場価格に連動するデリバティブをトレードすることで、

牛肉の価格が高騰しても、安くハンバーガーを販売できるようにしたとのことでした。


それ以降、某ハンバーガーショップは、かなり価格面で有利な商売をしているようにみられます。


また、おそらく今やほとんどの牛丼店は、こうした牛肉デリバティブを利用して、

安く牛肉を仕入れているでしょう。


ほかにも、いろいろなところで導入され、

きっと私たちの目に見えないところで、

物の低価格化に一役かっていることは、間違いないでしょう。


ところで、、、デリバティブ、という言葉は、あまり聞かなくなりましたが、


実は、かなり一般的になってきていて、

普通の人でも、割とよく目にするようになっているのではないかと思っています。


最初に例に挙げた為替に対するデリバティブ商品、、、、

少し前から流行しているのものを想像しませんか?


分かった人、、、するどいです。


その通り、、、“FX”、、、ですね。


これは、為替に対して、レバレッジを効かせて、特定の価格で売買する派生商品、、、、


為替デリバティブです。


ドルを売買するのではなく、先に述べたように、ドルを特定の値段で売買する権利を、売買するのです。


本来は、リスクヘッジのために作りだされた”保険”のような商品だったのですが、

使い方によっては、大きな利益を産み出せるため、

特異な発展を遂げたのです。


たとえは良くありませんが、、、、、


病気になりそうな人を見つけてきて、、、

その人に医療保険を大量に掛けて、、、

病気になった際に、大きな利益を得る。


あるていど一般的な保険を使って、FXでの売買を表現すると、こんな感じでしょうか(笑)。


こんな風な保険の利用のされ方をすると、なんだか悲しいですし、、、保険会社は困ってしまうのですが、、、


賢く使えば、安いハンバーガーの安定供給だったり、、、

健康なときも、やめる時も、安定した家庭の幸せだったり、、、


これらを実現できるわけです。


今回、、、、少し難しい部分があったでしょうか、、、、


デリバティブとか、、FXとか、、、世の中では、難しいものと考えられていたりするので、、、、


できれば、それほど難しいものではないというのを少しでも分かってもらいたかったのです。。。


ご意見、ご感想、、、お気軽にお送りください。