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生命保険の用語集:逆選択(ぎゃくせんたく)

あまり聞きなれない言葉なのでは?


私自身、保険業界に入るまで、この言葉を聞いたことも、使ったこともなかった。


いや、聞いたことはあったかもしれないが、少なくとも記憶には残っていない。


意味として、少し乱暴に説明すると、


本来は選択される側の人が、実は選択そのものをコントロールしている


という意味。


この説明では、かなり、分かりづらいですよね。


具体例をあげて説明します。


たとえば、中古車を売ることを想像してください。


中古車屋さんに持っていくと、中古車屋さんも儲けなくてはならないわけなので、


中古車屋さんがお店に出す値段よりも、かなり安く買い叩かれるわけです。


なので、できれば中古車屋さんに持っていかず、知り合いに売ったほうが、

高く売れると思うわけです。


つまり、質の高い、良い中古車であればあるほど、中古車屋さんに持っていかれる可能性は低くなるのです。


結果として(逆選択がおこり)、中古車屋さんには、質の高い車が並びづらい、ということになるのです。


ちなみに、この逆選択について、情報の非対称性と市場の関係で、中古車屋さんの例を含めて1970年に『レモンの市場』(The Markets for Lemons)という論文を書いたジョージ・アカロフ(米カリフォルニア大学バークレー校)教授は、2001年にノーベル経済学賞を受賞しています。


もう一つ、分かりやすい逆選択の例として、、、、


これから一人暮らしをする娘を持つ親に対し、『純潔保険』というのが売り出されたことがありました。


娘が一人暮らしをしている間、、、、大切な娘が純潔でなくなったら、、、、、


その心情を察して保険金をお渡しします。。。。。という内容。


この保険会社、、、あっという間に破綻しました。


ちなみに、これが売られたのはイタリア。


まあ、良く考えれば、とうぜんですね。。。。。


保険に入るのは、、、、、、


純潔を保てるかどうか心配な娘、、、、、


つまり、、、自由奔放な娘ほど、、、、保険をかけられるわけです。


純潔について安心できる、、、、そんな娘は、親も安心して、保険をかけないのです。


結果、、、、、保険に入った人のほとんどは、自由奔放で、純潔を保てず、


多くの保険金を払うことになってしまい、破綻したということになったわけです。


保険の加入者が、自身の可能性を判断して、保険に加入したわけです。


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当たり前といえば当たり前のこと。。。。。


保険について、、、、、


危険な人ほど、保険に入りたがるわけです。


ガンにかかりやすいと思っている人ほど、ガン保険に入りたいと思うでしょうし、、、、


病気がちな人は、多額の入院保障を欲しがるでしょう。


死と隣り合わせの危険な職業をしていれば、死亡保障の大きな保険に入りたがる、ということになるわけです。


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つまり、


世の中全体で、男性の約1/2が、一生のうちにガンにかかるというとう調査結果がありますが、


おそらく、がん保険の加入者が、ガンにかかる割合は、それを大きく超えるでしょう。


まあ今となってはガンほどポピュラーな病気はないくらいなので、それほど顕著にあらわれないかもしれませんが。


とにかく、不健康な人ほど、医療保険に入りたがる、、、、


健康な人ほど、保険に入りたがらない、、、という傾向は確かにあります。


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「自分から保険に、熱烈に入りたがる人、、、、保険料が高くなっても、受け取れる保険金をどんどん吊り上げるような人、、、、そんな人は、、、申し込みを受け付ける際に気をつけましょう。。。。。逆選択を頭においておきましょう」


保険会社にいると、そんな説明を、研修などの際に耳にするわけです。


保険のチカラを利用するには、あえて逆選択で、保険を選ぶのが良いと思うわけです(保険会社は損するわけで、、、それを保険会社人間が言うのは、いかがなものか、と思うわけですが、、、、)。