代理給付金請求権と「もやもや」
保険はお金を受け取ることを考えるのが大事、、、、、ehokenです。
今日は、オチがない話し。特に結末も、何が良いとか、こうなれば良いとか、そういう意見とかもない話し。
なんか、心のなかがもやもやした感じで、それを書いただけ。
これで良いのかもしれないし、哀しいのかもしれない。でも、それは当事者同士の話し。。。
そんなことが、この仕事をしていると、結構あったりする。
生命保険には、契約時に受取人を指定する必要がある。
一般的には、配偶者。そして、若い独身者は、親。独り身の老人は、子供たち。
しかし、そのどれでもない場合、、、年配で独身の方など。
それぞれの事情により、保険金の受取人を決める。
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先日は、受取人を妹に指定した。
独り身の男性、すでに仕事はリタイアし、少し体を悪くして一人暮らししている。
そんな彼が、自分が死んだときにお金を受け取ってほしい人として、妹さんを指定したのだ。
(きっと仲の良い兄弟だったんだろうなぁ、、)などと想像した。
確かに葬儀などの後始末をしてもらうため、お金を渡す必要はあるかもしれない。
妹さんも、面倒はあるかもしれないが、自分の最期を頼ってくる兄に、悪い気持ちはしないはずだと思った。
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多くの保険は、保険金や給付金を、被保険者だけでなく、親族などが代理で請求できる権利を持たせる特約(代理請求権特約)がある。
つまり、被保険者の意識がないなど、給付金を請求できない場合でも、代理人がスムーズにちゃんと請求できるようにする特約。
(少し話しがそれますが、この代理請求権特約は、保険会社によって内容が微妙に違っていたりするので、注意が必要。3親等以内なら、だれでも良いというところ。生計を一にしていないとだめというところ。ちゃんと読まないと違っているので、自分の保険を確認してみてください。)
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わたしはいつも保険金・給付金の受取人が同居の家族ではない場合、受け取り方法や、保険の内容について説明に行くようにしている。
お兄さんに、受取人の連絡先を聞くと、そらで覚えており、すっと電話番号が出てきた。やはり、仲が良く、信頼しあっているんだろうなと思った。
今回もきっと妹さんのよろこぶ顔(そして、そのなかにどこか侘しさのある顔)、複雑な表情が見られると思っていた。お兄さんの、妹さんへの思いを伝えられると思っていた。
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しかし、訪ねてみると、ドアを開けてくれたのは、妹さん本人ではなく、その旦那さん。
訪問目的を告げても、妹さんを呼ぶ気配はない。
しかし、奥で物音がして、人がいる気配はあった。
そのまま玄関先で説明を始めると、突然部屋の奥で電話がなった。
女性が電話に対応して、旦那さんがその電話について、声をかけた。奥さん、つまり妹さんだった。
家にはいるのに、説明を聞くために出てこようとはしてくれないのだった。
一通り説明を終え、しばらく旦那さんと雑談を続けていたが、妹さんは、ついに姿を現す気配すらなかった。
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なんだか、お兄さんが人生の最期を託す思いとか、そういうのを伝えたかった相手、、、
私が勝手にそんなことを考え、、、それを裏切られたような感じがした。
もちろん、そんな思いは、もともとお兄さんになかったかもしれない。
というか、おそらくまったくなかったのだろう。妹さんに対して、特に親しいと思っていなかったのかもしれない。
妹さんも、めんどくさそうな保険屋さんの話しなんか聞かず、旦那にまかせるのが普通なのかもしれない。
でも、なんとなく釈然としない気分が、私のなかに残った。
伝えたいと思って、預かっていた気持ちが、大事に運んできたものが、
贈る相手がなく、伝える先がなく、結局誰の目にも触れず溶けてしまったような気分だった。