節税破産 する人、 知識先行 な人、 銀行信仰 している人
佐々木昭一郎という、NHKの放送作家をご存じだろうか。
私は彼の「ユートピアノ」が心に引っかかり、それ以外にも、さまざまな国を渡り歩くピアノ調律師A子(あえてA音のえいこなので、Aとしました)の物語を、思春期に何度も見たりしていました。
今日は、横浜にあるNHK放送ライブラリーで、彼の「さすらい」をみた。
実は、何度も繰り返し見ているドラマなのだが、、、いつも、心に滲み入る。
映画の看板制作会社に就職するも、これを投げ出し、、、サーカスを投げ出し、、、旅芸人に憧れるも、これは断られ、、、氷売りに、、、そしてこれも投げ出す、、、、。
モラトリアムな、不思議な感覚の映画、、、ドラマ、、、。佐々木ワールドに浸れる作品です。
『節税破産』という言葉を聞いたことがあるだろうか?
これは、節税には成功し、税金を極限まで減らすことができたのに、財産を失うこと。
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節税に失敗し、巨額の相続税が払えずに、土地家屋を取り上げられた、、、という話しはよく聞く。。。
しかし、節税には成功して、税金の支払いを低減できたのに破産って、、、どういうこと?
と思うかもしれない。。。。
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たとえば、、、土地に賃貸物件を借金して建築する、、、という節税スキームが有名です。
銀行や不動産業者が、こうしたことを勧めてくれば、信用するのも当然でしょう。
しかし、対策してすぐに亡くなるとは限りません、、、テナントが入らない、部屋が空いている、修繕費がかさむ、、、などの問題も起こったりします。
十分な現預金があり、賃貸物件運営をもちなおさせればよいかもしれません。
賃貸物件運営に十分な経験があり、経営状態を維持できればいいかもしれません。
しかし、節税対策のための“にわか大家”では、うまくいかないことが多かったりします。
他の財産を切り崩すことになったり、最悪は相続しようとしていた土地を手放さなくてはならないといったことにもなりかねません。
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相続の最大目標は、“しっかりと財産を継がせること”です。
以前のブログで、税金をあえて多く払うことは悪であるかのように読める部分もありましたが、そこだけ切り取ってしまうと誤解が生じそうです。
あくまでも、遺す財産の最大化が目標です。そのために、しっかりと納税することが必要であれば、したほうがよいに決まっています。
その場かぎりの節税に偏った相続対策は、将来のご自身の生活の破綻につながったり、結果として財産を遺せなくなってしまう可能性があります。
税金を減らすのは間違えではないのですが、そのために財産が減る可能性が高くないかどうか、見極める必要があるのです。